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出展:豆類百科 財団法人 日本豆類基金協会

豆類の効用

■豆は、日本人に不足しがちな4つの大きな栄養素を、効率よく補給します
・豆は、炭水化物とたんぱく質を供給し、脂質の取り過ぎを抑えます。  
 脂肪エネルギー比.率(総摂取エネルギーの中で、脂質から摂取する朗合)が健.全なラインである25%を超えてきています。 一方、炭水化物についてもまだ50%は下回ってっていませんが、日本本人の栄養の摂取傾向を考慮して、「日本人の食事摂取基準(2005年版)」で は、「糖質の摂取量は総エネルギー比の50%以上70%未満」とされています。 脂質は、エネルギー源として必.要なだけでなく.身体の機能を維持する上で.一定量の摂取が必要です。しかし、過度の摂取は心疾患、動脈.硬化や糖尿病などを引き.起こす.大きな原因ともなっています。わが国では、日本型食生活で健全な栄餐バランスを保ってきていましたが、平成に入り脂肪エネルギー比率が25%を超え毎年増加してきています。 一方でエネルギー摂取の比率が、主たる栄養素である炭水化物からは米の消費が減少したこともあり約60%まで低下してきています。豆は、100g中、おおむねP(たんぱく質)20g、F(脂質)2g、C(炭水化物)58gと、極めてバランスのとれたエネルギー構成になっています。
 
・豆は、ビタミンB1やKなどのビタミンを豊富に含んでいます。 ビタミンA,B1、B2、Cとも、摂取量は平均では栄養所要量を上回っていますが、特に若い人たちは1日1.2~1.5mg必要なビタミンBlが不足しがちです。ビタミンは、所要量は微量ですがいろいろな栄養素の働きを助け体の調子を整える大事な役割をしています。 ビタミンB1は炭水化物をエネルギーに変える働きをしますが、不足するとエネルギーの生成がスムーズにいかず、尿酸などの疲労物質がたまって疲れやすくなります。また、脳や神経にエネルギーが十分に補給されないことから、いらいらするようになります。 糖質の多い飲み物を多飲しがちな若い人たちは、ビタミンB1が欠乏しやすい傾向にあります。豆は100gの中に0.55mg前後と多くのビタミンB1を含んでいるので、豆を毎日食べるだけでかなり補給できます。かって日本人は、白米でのビタミンB1不足を豆料理で補ってきたものです。また、豆はB2やナイアシン(ニコチン酸)、E、Kなどのビタミンも含んでおり、いわば総合健康食品です。
 
・豆は、現代人に不足しがちなミネラル、特にカルシウム、鉄、カリウム、亜鉛をたくさん供給します。 ミネラルは、体の機能の維持や調節に欠かせない栄養素です。体に必要なミネラルはたくさんの種類がありますが、所要はそれぞれ徴量です。しかし不足すると、いろいろな症状が現れます。 カルシウムは全般に不足しがちで、特に若い人は鉄も不足しています。またカリウムや亜鉛などもきちんと摂る必要があります。 まず、カルシウムです。カルシウムはリンと.並んで健康な骨や歯を作ります、体の中には成人では1kg以上のカルシウムがあり、ミネラルの中では飛び抜けて多い含有量です。 このカルシウムが不足すると、骨や歯が弱り骨粗鬆症にもなりやすいほか、いらいらなど精神の不安定を招いたり血行に異常を来たしたりします。 この大事なカルシウムが日本人には年齢、性別を問わず不足しており.特に若い.女性に顕 著です。 次に鉄です。鉄の主な役割は、血液中の酸素を運搬することです。不足すると、体の中に酸素が充分に供給されず、めまいや貧血、思考力や集中力の低下などいろいろな症状が出てきます。鉄は体内での吸収率が極めて低いため、欠乏しやすい栄養素です。 特に、女性はライフステージを通じて不足しがちになります。ここでも、最近の子供も含めた若い女性の食事の内容が大変気になるところです。カリウムには、ナトリウムの排泄を促して血圧を.下げる働きがあります。日本人には食塩の摂り過ぎの傾向があるため、積極的にカリウムを摂取する必要があります。 亜鉛は、たんばく質の合成など細胞の新生に不可欠です。亜鉛が欠乏すると、発育不全や身体の成長が妨げられたり肌がかさついたり、脱毛や爪の発育障害が現われます。 豆には、カルシウム、鉄、カリウム、亜鉛のいずれもが豊富に含まれています。
 
・豆は、食物繊維の王様です。 生活習慣病予防のためにも、食物繊維を十分摂る必.要があります。食物繊維は成入で1日19-27gが必要とされています。これまで一般に、食物繊維は体内で利用できず、単なる整腸作用のみ注目されていました。しかしながら、近年食物繊維の有する種々の機能性が明らかになりました。具体的には、食物繊維には抗便秘作用や血清コレステロール値及び血糖硫の改善効果が認められ、心疾患、動脈硬化症、糖尿病、腸疾患、特に大腸がんの予防に効果のあることが明らかにされています。日本人が豆をたくさん食べていた頃には、食 物繊維不足はありませんでしたが、今は食物繊維の飲料まで売られる時代です。豆には食物繊維が100g中17~19g入っており.食品の中でもトップクラスの含有量です。